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エックハルト・トールが語る「ネット依存を断つには」SNSに思考を乗っ取られるな!今ここに在るということ

エックハルト・トール動画【 Disciplining Our Minds On The Addiction To Technology】日本語訳「端末への依存を自制する」

インターネット全盛時代の中、私達の仕事や暮らしは大きく進歩しました。その反面、ネット依存という弊害を生んでいます。

世界に影響力を持つスピリチュアル・リーダー、エックハルト・トールの見解を翻訳しました。

動画著作権と出典元:エックハルト・トール公式サイト:Eckhart Tolle | Official Site - Spiritual Teachings and Tools For Personal Growth and Happiness

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ネット依存を断つには

質問:「スマホなど端末の誘惑に対して、どうあるべきかお聞かせ下さい」

エックハルト・トール:「比較的シンプルなご質問ですが、これを深遠な話まで持っていくにはどうお話しましょうかね・・・ハハハ」(聴衆笑)

では「いまに在ること」を感じることから離れてしまって、物事を「ただなんとなくしている」行為について話します。

質問者がお聞きになりたいことはつまり、「SNSやアプリの通知に、いちいち反応せずにいるにはどうしたらよいか」ということですね。

(スマホがないと落ち着かない状態のこと)

そうですね、まず最初に申し上げたいことは、ただそれらの通知機能をオフにして下さい、ということです。(聴衆・拍手喝采)

それでも十分大きな進歩になりますから。ハハハ…。

自分の思考や感情ではなく、その後ろ側にある意識となれ

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インターネットに乗っ取られた思考

他にもスマホやタブレットでも何であれ、デバイスそのもの使用を自制することも必要です。そんなものは単に思考(エゴ)の延長に過ぎないので、そのことに気付くと支配されることがなくなります。

このようなデバイスが発明される以前でさえ、人はすでに「思考」に乗っ取られていたんですよ。

2000年前ですら、もちろん今ほどではありませんでしたが、イエス・キリストが人々に「なぜそこまで明日のこと、お金などまだ先のことを心配するのですか。花を見なさい。どれだけ今ここにあることに、ありのまま身を委ねていることか。ひとつの意識によって維持されているかを」(おっと、これは私の通訳ですが・笑)

その頃から人間はすでに自分の思考に囚われていたわけですが、現在は当時よりもっと賢くなった思考が、デバイス機器によって激増しています。言ってみればデバイスという私達の思考の分身を作っているようなものです。

お気づきかと思いますが、あなたが本当の自分といる時は「この壮大で美しい静寂の中で、ありのままの自分でいなさい」と、心の声が告げています。

そうしない限りあなたはそこで何かにコメントしたり、話をしたり、議論じみたことさえしますね。それが多くの人の負担となるのですが、実際そこにあるものなど、たいして面白いものではないはずなのに、気付かないうちに負担となるのです。

その上あなたは自分自身をそこにあるものや、話すセリフなどと同一化してしまうので、ストレスいっぱいの状態の中さまようことになります。

今は指先一本で簡単に、この世の情報に簡単にアクセスできるので、テレビや小さなスマホの画面を延々と見続けたりします。そんな風にスクリーンを見ているひとときは お気づきかもしれませんが、いわゆるご自分の思考のシステムが停止し、一種の空っぽの状態になります。

例えば「よし、今はリラックスする時間だ、ちょっとテレビでも見みてみよう。」と空き時間にテレビを見るとします。テレビを見ている間はそのへんの集合意識が、自身の意識に取って代わります。無自覚に思考のプロセスがテレビに引き込まれるので、特に負担とは感じていません。

さらにテレビを見ている時は、何も考えていないことと同じなのです。何か情報を求めてそれを自分の思考に吸収し、同調すると、いわば少し催眠術にかかったような麻痺状態でもあるということです。

テレビそのものは60年以上も前からありますが、あなたの思考はそこから流れてくる情報を、何でもかんでもただ吸収しています。それは「テレビの思考」と言えるのですが、つまり自分自身の思考ではなくなるということです。

もちろんその時々は「なんてバカバカしいんだ」とか「なんでこんなしょうもない番組を見ているの?」(エックハルト・トールのジェスチャーに聴衆が爆笑)、30分後には「なんとまあ、ひどい」という風に自分で考える時もありますが。

それでもスイッチを切れずにいて、リモコンを手にして他の番組にチャンネルを変えては「バカばっかり・・・」、他はどうかとまた違うチャンネルを見始める・・・。これなんかまさに依存症ですが、肌身離さず持ち歩けるスマホなどの端末なら、もっとひどいものです。

ネット依存を認め、自制するという「気づき」を得る

ここにいる人全員でなくても、かなり多くの人はインターネット中毒であることを認めるべきです。今やかなり普通になっていて、必要ない時でさえダラダラ使い続けていますね。

エレベーターで隣の誰かがスマホを取り出せば、なんとなく自分も同じようにスマホを取り出したり、カフェで順番待ちしている間、端末に顔を見ていない人などほとんどいないといった風でしょう?

まるで恐ろしいゾンビのように・・・。(エックハルト・トールがスマホを指で操作する仕草に聴衆笑)

過去からタイムスリップしてきた人が見たら、いやそこまで昔でなくても20年ほど前から来た人でさえ、この光景を街なかで見たら「人類にものすごく由々しきことがあったのか、皆ゾンビになったぞ!」と思うでしょう。聴衆笑

膨大な知識に簡単にアクセスできるインターネットデバイスは、確かに素晴らしいツールです。反面あなた方を刺激しては甚大な依存症状をもたらすという大きなデメリットがあり、自分の心を開放する妨げにもなります。

ですからあなた方はどんな時でも、端末を無意識にチェックしたりしないよう、ご自身を律しなければなりません。

私はそんなに詳しくありませんが、一番大きな影響のあるフェイスブックをはじめインスタグラム、スナップチャットなど他にも本当に無数の、中には全てのアプリを入れている人さえいて、それぞれ最新情報をチェックしなければいけないなんて、まさにクレイジーとしか言いようがありません。

もしあなたがインターネット依存でないかと省みて、またそうであると認めた場合は否定しないで下さい。アルコール依存症で断酒会に行くとそこでは認めますよね。そこで「認めるのは良くない、あなた自身がアルコール依存症なのでははないのだから」などと言われます。

もちろんそうに違いありません。この点が誤解されがちであなた自身がアルコール依存症でなくて、自然のままの状態は本来健康なのに、今の状態が中毒なんだということなのですが、はっきりそうだと自覚して認めること自体は難しかったり、問題があるのです。

これからは「端末に過剰に依存しないこと」を選びましょう。

そして「いま在ること」の素晴らしさを享受すれば、周りを見渡した時に、いまだに思考を乗っ取られたままのその他大勢から抜け出し、ご自分がそこからとてつもなく開放されたことに気づくでしょう。他の誰とも関わる必要などなく「いま在ること」、そしてあなたが本来いるべき場所に立てる、数少ない一人となるのです。

最後に

内容を補足すると、アルコール依存症の人は自分自身を、また他人もその人のことを「ダメ人間」のように捉えがちだけれども、「その人の外側がそうなだけであって内側、つまり本当の自分はそうではないことに気づくべきだ」とトールは述べているのだと思います。

その「気づき」こそがエックハルト・トールの言う、本当の自分の思考だからです。抵抗せずにありのままを受け入れた時、新しい意識の次元が開けるということでしょう。

そして自分の思考(エゴ)と本当の自分を切り離し、「いまに在ること」に気づいた後は、SNSなどの騒がしい場所で、自分の承認欲求を満たすものを探し続ける必要がなくなるのかもしれません。

自分を生き生きとした生命体として感じられなくなると、人はモノで人生を満たそうとする。スピリチュアルな実践として自分を振り返り、モノの世界との関係を見直してみることをお勧めする。 エックハルト・トール『ニューアース』より

「エゴ」とは

エックハルト・トールのエゴの解釈は、

すべての心の活動の核心は繰り返し、しつこく反復される思考、感情、反応パターンでできていて、人はそこに最も強く自分を同一化している。

つまりこう言明しています。

ほとんどの場合、あなたが「私( I )」と言うときは、エゴがそう言っているのであって、あなた自身ではない。『ニューアース』より

頭の中で繰り返されるセルフトークは、本当の自分の思考ではなく、そのへんで拾ってきたエゴの思考だと気づいた時、扉は開かれます。

インターネットやSNSはエゴの延長

日々に雑事の中、自分のエゴを克服することで精いっぱいなのに、その延長でSNSやインターネット上の他人の思考にまで関わる余裕などありません。

他人の思考に反応すれば、つながり依存を引き起こすだけでなく、誰かの所有物と比較して落ち込んだり、他者との関係をこじらせたりなど、負のスパイラルが待っているだけです。

現代病とも言えるスマホ依存やインターネット中毒はまさに、トールが指摘する「機能不全」の状態のようです。

自分を生き生きとした生命体として感じられないため、人は外側にあるもので人生を満たそうとしていると、トールは言います。

インターネットの恩恵によって、こうしてトールの教えに触れることができるのも事実です。ですが大いなる自分への「気づき」があれば、大切な時間を浪費することなく、うまくコントロールできるようになると教えられた気がします。

スピリチュアル・リーダー、エックハルト・トールのワークショップ動画の内容と意図を分かりやすく伝えるため、見出しや意訳等、加筆して記事にしました

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