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『瞬間ヒーリングの秘密』でトールの理解が深まる理由「内側と外側に効く」QE意識とユーフィーリング、純粋な気づき

世界に影響力を持つスピリチュアル・リーダー、エックハルト・トール。トールが教える「無」や「空」、「いまに在ること」については理解したようで、あまりできていなかったかもしれない。

ところがフランク・キンズロー博士の「QE」(クォンタム・エントレイトメント)本を読むと、トールの理解が一気に進んだ。「そういうことだったのか!」と視界が開けた感じさえした。

フランク・キンズロー博士の「QE」本でトールを知る

『瞬間ヒーリングの秘密』は一見すると、ヒーリング手法を教える内容に思えるのだけれど、実は深遠なスピリチュアリティの洞察が盛り込まれている。

平易で分かりやく、静かで流れるような文章にワクワクしながら一気に読んだ。

トールが分かると書いた理由は、キンズロー博士の提唱するQEが、エックハルト・トールやラマナ・マハルシの哲学を、QEというメソッドにしたものであるため。

注:不二一元論学派の哲学、自己(アートマン)と宇宙(ブラフマン)は本質的に同一とするアドヴァイタ・ヴェーダーンタのこと

例えば、思考を停止させるエクササイズで、ねずみの巣穴を見張る猫の例えが登場。トールがどこでそんなこと書いていた?と思うような読み飛ばしがちなところを、簡単なエクササイズで理解に至らせる。

思考と思考の狭間、つまり思考が止まった時、誰がそれを見つめているのか。そこには永遠不変の純粋な気づきの存在があると言う。

無(何もない)=純粋な気づき=知覚している自分=内なる自己を意識することが、QEの本質。

そしてこの気づきを、ヒーリングに応用できると提唱するのが、キンズロー博士の『瞬間ヒーリングの秘密』、QE。

もちろん理解度にもよるのだろうけれど、筆者の場合はトールが心を砕いて教えていることが、QEという副教材のおかげで消化できた。トールに申し訳ないほど…?!

QEとは量子レベルでの同調プロセス

QEとは、Quantum Entrainment (量子レベルでの同調)の造語で、一種の瞑想のようなもの。思考の動きをなくすことで【自己】に気づいた状態に導くプロセスのこと。

気づきの質が人生の質を決める。そして気づきとは、自己に気づくこと。

トールは「無」を認識すると、見えない世界の入り口に立つことになり、意思がシフトすると教えている。では意思がシフトするとどうなるのか?

気づきに気づくことが、なぜ私たちの感じ方や状態にこんな大きな違いをもたらすのでしょう?それは気づくことで、より微細で精妙なレベルの思考に触れることができたからです。精妙なレベルになればなるほど、その思考は秩序とエネルギーを帯びます。あなたが気づいた思考のはざまの隙間、この非体験こそ、純粋な気づきです。 『瞬間ヒーリングの秘密』より

博士は気づくと、安らぎや愛、歓びを感じるようになると言う。それをユーフィーリング(幸福感覚) と名づけた。

トールやマハリシの教えで漠然としていた部分が、メリハリのあるQEというメソッドによって輪郭がはっきりしたことで、それがストンと落ちた。

内側と外側の両方で気づきを生かすには

スピリチュアルを志す人を悩ませるものに、霊性と物質世界との折り合いの付け方が挙げられるのではないか。

例えばスピ本を読んだ後、霧が晴れたような心境になっても長く続かず、すぐに現実にさらされるといった風に・・・。

内側から外側に戻っていったときに、落差を感じることがある。現実世界で立ち往生する時は、どのように対処すればいいのか。

エックハルト・トールの教えがそういう流派だったことは、博士の本で知ったけれど、TM瞑想のマハリシにしても、トールの教えにしても、結局「いまに在る」ことで、直接的に人生の機微にどのようなメリットがあるのか、いまいち理解が進まなかった。

キンズロー博士はその点について掘り下げている。

内側の調和「気づき」を感じられるようになったら、普通意識から超意識へと移行。

その次に外側の物質的な面と、内側の感情的な面の両方で、望みを叶えることができる理由を解説している。

QE 瞬間ヒーリングの秘密 「物質の階層」無には価値ある・創造世界にある秩序とエネルギー

最小限の行動で最大限の結果を得る方法

例えばTM瞑想のマハリシは「最小限の行動で最大限の結果を得ること」が、TM瞑想の効果だと教えている。そのためには「真の実業家に会いにいく必要がある」と言う。

その真の実業家は、上図の「純粋な気づき」に存在する。

トールが教える"Surface I "(表面上=物質世界の自分)が"Deep I"(本当の自分)がいる深海の根源まで、しっかりといかりをおろすことと同じかと思う。

穏やかな地点に蒔かれた創造の種は、そこにある成就の力を通じて展開していく。種は物理的な力が働いて結実し、感情面では純粋な気づきの中で、やすらぎと安定性を得られるようになると、キンズロー博士は教える。

つまり「自己」の深遠な静寂の中で種を蒔くと、外界での創造の豊かさが花開くのを、ただ無心に見守る観察者となるといったところ。

そこへ行く方法がトールなら「いまに在る」こと、そしてマハリシなら瞑想、そしてQEとなるらしい。

本来ならグル(賢者)に長年師事して、やっと到達できるレベルの哲学を分かりやすく掘り下げているところが、キンズロー博士のQE本の画期的な点だと思う。

ちなみにエイブラハムの教えで言えば、「純粋な気づき」はソースエネルギー、ユーフィーリングは「内なる存在と同調」=アライメントに相応すると個人的に捉えている。

エイブラハムはソースエネルギーと繋がって打ち上げられた願望ロケットには、核爆弾くらいの威力があるけれど、通常意識でのものはせいぜい爆竹程度と説いていたけれど、これのことのような気がする。

実はキンズロー博士は、霊性探究に15年以上を捧げても、「悟り」につながらなかった経緯を打ち明けていて、それがとても印象的だった。

自分がふたつの世界に存在しているような気がしていました。日常生活という競争の世界と、精妙な存在たちがいる穏やかな明け渡しの霊妙な世界です。身体的にも感情的にも楽ではありませんでした。「別」の世界の穏やかな静寂がいろいろな姿でかすかに光りながら手招きしているなかで、家族や仕事に集中しつづけるのは骨の折れることだったのです。「クォンタム・リビングの秘密」より

マハリシの超越瞑想の教師をしたり、山で隠遁生活していたこともあるらしい。

スピリチュアルの探究に研鑽を積んでいたにも関わらず、同じグループのメンバーにも内的成長の大きな進化をしている人はいなかったと赤裸々に語っている。

心の内側へ近づくことができてても、外側では実生活に見放されて絶望の淵を彷徨っていた時、ようやく真の目覚めがおこったと言う。

「道を進めば問題が解決する」という幻想から、解き放たれたからだ。

その後、一筋の光の中にQEメソッドが創出されたという。気づくことで(悟り)、内側と外側の両方でうまく生きる方法であるQEを、世界中の人に伝えるというQE意図をしたことで、今に至るとのこと。

 

知覚の扉が洗い清められるとき

  筆者は昔、ロックシンガーのジム・モリソンに心酔したことがある。「ドアーズ」というグループ名は、詩人ウィリアム・ブレイクのこの詩の一説から閃いたそうだ。

If the doors of perception were cleansed, everything would appear to man as it truly is, infinite.

「知覚の扉が洗い清められるとき すべてはありのままの姿で現れるだろう、果てしなく」

キンズロー博士もこの詩を本で引用していたように、どうやら知覚の扉、すなわち知覚が変容するときにはじめて、道が開けるらしい。上級者ならすでにご存知かもしれない。

  QE本を読み始めたのは、ちょうど『セス・マテリアル』で多次元宇宙を学んでいるところだった。

量子物理学の多元宇宙では、それぞれの次元を結びつける糸が、デヴィッド・ボームのいう「境界のない全体性」=「純粋な気づき」だと言う。

知覚を変換することこそが望みの次元に移る秘策で、それはスピリチュアル・シーカーの誰もが模索するところだけれど、博士はこう示唆している。

純粋な気づきは、あなたのそれぞれの人生への入り口です。おそらくQEは、この純粋な気づきを入り口に、あなたの意識を並行人生へと移動させることで作用するのでしょう。

純粋な気づきそのものに気づいた果てに、世界が自分中心に展開していき、創造が目の前で繰り広げられるのを、無心に見守る経験者になるのだという。

それは映画のドラマから抜け出て、観客席に座るということ。

動画のエイブラハムもこの辺りについて、「その角を曲がった時(通過すると)あなたは・・・」と、チラッと言及したことがあった。

アライメントし、知覚が変容すればヴォルテックスに預けたものが、溢れるように展開する話だった。

究極的には、時間というものは私たちの意識によって創り出される幻想に過ぎず、すべては自分の中にある。気づきという知覚ポイントから開いているということのようだ。

残念だったキンズロー博士のアンチ「引き寄せの法則」

ところで悟りをひらいた聖者の感覚がどんなものなのか、キンズロー博士は著作で語っている。聖者でも怒る時は怒るのだと。

皮肉にもそれを自ら証明したのが、アンチ引き寄せの法則論だった。QEにグイグイ引き込まれていたのに、違和感を覚えたのがこの4冊目。

キンズロー博士が、「どうして科学的根拠もなく、効き目もない引き寄せの法則がこれほど人気なのでしょうか!?」と突然、私心を剝き出しにしたのだ。

スピリチュアル側に立つ人が、科学的根拠を持ち出したことに驚いたのと、(QEヒーリング手法には根拠があるとは書かれていない!)また、特定の本の著者の失敗を愚弄していたことには、少々幻滅した。

これだけに収まらず、引き寄せの法則を批判する本もわざわざ出版している。

アメリカAmzonのレビューにあったように、アンチ派のウケ狙いという商業的な目的なのだとしたら、そこに博士の説く「純粋な気づき」はあったのかと疑問に感じる。

東洋思想を通じて霊性を極め、これだけ研ぎ澄まされた本を書くような覚者が、正統な引き寄せの法則を毛嫌いするとは信じがたい。

もちろん、エイブラハムの教えとは特定はしていないけれど、アメリカで書かれた同様のレビューが印象的だった。「このような批判をする者より、少なくともエイブラハム・ヒックスの方が信頼に値する」と・・・。

これはエイブラハムの引き寄せの法則を、博士がよくご存知でないことの現れなのかもしれない。究極的にはエイブラハムの教えの本質も自己の中に神がいることでは同じなのだし、他を批判したら、自分も批判されるだけなのに。

それもこれも数あるスピ本の中で、キンズロー博士の著作が突出して良かったからこその違和感だった。博士の著作は本当に素晴らしかった!

エックハルト・トールが同時に理解できたし、知覚の転換方法、動く瞑想、空間ウォーキングについても、衝撃的なくらい参考になった。

それにQEの三点法が誰にでもできるヒーリング法なら、素晴らしいことだと思う。

総合的な感想を言えば、『瞬間ヒーリングの秘密』や一連のQE本は、十分読む価値があると言える。

エイブラハムは、10のうち、1つ不満なことがあれば、私たちはその1つを騒ぎ立てる傾向があると言う。確かにその通りなので反省、キンズロー博士からは本当に多くを学べたことに感謝したい。

QE本は、エックハルト・トールや、ラマナ・マハルシの理解をより深めたい人や、知覚転換や多元並行宇宙に興味がある方に、かなりお勧めできる。

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