各界の第一人者が一流のプレゼンテーションをするTEDトーキング。
最初は英語の勉強のつもりだったのが、だんだん日本語字幕で各発表内容をじっくり読むことに集中するようになった。
第一線で活躍する精鋭達の素晴らしい話の数々は視聴するたび唸るものがある。
何より知識が得られるし、中には実生活ですぐ役に立つようなテーマもあるなど、本当なら有名大学に聴講させてもらうほどのレベルの話が、クリック一つで無料視聴できることはありがたいことこの上ない。
テッドトーキングでは、どのプレゼンテーションも起承転結がはっきりしていて、語り手のいかにもアメリカらしいユーモアのセンスが入るなど、聞いていて飽きないし、ためになるだけでなく最後はかなりの頻度でジーンとさせられる。
最近「ああ、これは・・・」と感動したのが、盲目になった人が「目で見えている情報はイリュージョンにすぎないから騙されるな、自分自身が現実の創造者であることははっきり自覚して自分の人生に責任を持とう」というお話。この人は盲目という障害を持つことでワンステージ上に到達している人だと確信した。
原題「あなたはどんな現実を創っていますか」イサク・リースキー氏
Reality isn't something you perceive; it's something you create in your mind. Isaac Lidsky learned this profound lesson firsthand, when unexpected life circumstances yielded valuable insights. In this introspective, personal talk, he challenges us to let go of excuses, assumptions and fears, and accept the awesome responsibility of being the creators of our own reality.
現実はあなたが知覚するものではありません。それはあなたの心の中で創造するものです。予想外(盲目になったこと)の生活環境が貴重な洞察をもたらしたとき、イサク・リースキーはこの深遠な教訓を直接学びました。この内省的な個人的な話では、彼は言い訳、前提、恐怖を放棄し、私たちの現実の創造者であるという素晴らしい義務を受け入れるように私たちに提言します。
目の前にある現実は、自分が心の中で作っているもの。だから、もっと違った現実を作ることができることを実体験から語っている。
以下、内容の抜粋
私たちが見ているものは、普遍的な真実ではないと私は学んだ。客観的な現実ではないということを。
見えていると思い込んでいるものとは個々の仮想現実であり、脳が作り出したものだ。
神経科学の観点から説明すると・・・。 視覚野は、脳の30パーセントを占める。触覚は8パーセント、聴覚は2~3パーセント。毎秒、目は20億もの情報を視覚野に送るが、それ以外の感覚器官から入る情報はおよそ10億。
つまり視覚は、脳の容量の3分の1を占め、3分の2のリソース(処理能力)を使っているので、視覚が生み出す錯覚に説得力がある。
けれどもこのことを忘れないでほしい。
視覚は錯覚にすぎないということを。
ものを見て何かを理解するとき、脳が知覚しているのは、自分自身の世界に対する見方なのだ。
例えばこれまでに得た知識、記憶、意見、感情、注意を向けているものに影響を受ける。
脳は実際に見えているものより、こうした自分の情報と結びつけて目の前のものを理解するし、それは無意識に行われる。
自分がどんなふうに感じているのかによって、見えるものが変わる。
イサク氏の話は、未知のものに恐怖を感じてそれに近い現実を引き寄せるのも自分、我こそが現実の創造主だと自覚さえしていると、自分の人生に現れる現実に責任を持つようになるということだ。
これは「引き寄せの法則」のエイブラハムやバシャール、「眠りながら成功する」のマーフィ博士のいうことに合致している。人生経験という現実の創造主は、誰でもない自分なのだということだ。
目で見ていると思い込んでいるのはすべて仮想現実、自作自演の人生劇場を生きているのと同じことなのだ。
なかでも「目に見えているものはイリュージョンにすぎない」と語ったのが印象的だった。 イリュージョン=幻想。
自分が見ているものは、自分の心の中が作りだしたもの。自分はありのままの世界を見ている、と感じてしまう。
多くの実験でも証明されていると言っていたのは、量子力学のことだと思う。観察者によって事象が変わるという例の実験。
盲目になる前はイサク氏自身もそのことに気づかなかったという。
氏は盲目は人生の破滅だとさえ考え、絶望していたのが、この現実によって逆に光明を得たとのことを述べている。もちろんTEDではそんな風には話していない。一般大衆に理解してもらえるレベルでのプレゼンテーションだ。一般に理解してもらうのはどの表現をもってもなかなか難しいはずだ。
イサク氏の提言したいこと、このラストはまるでスピリチュアル的だ。アウェイクニング後、ワンネスの世界から降りてきたステージの高い一人なのかもしれない。
それではどうすればしっかりと目を見開いて生きることができるのでしょうか。
自覚さえすれば、その生き方は学ぶことができるし、練習できます。ごく簡単にやり方をお伝えします。
1.あらゆる瞬間、あらゆる思考、どんなささいなことにも責任を持つ
2.恐怖を乗り越える
3.自分が憶測をいだいていることに気づく
4.心を強くもつ
5.自分自身を批判する声に耳を傾けない
6.運や成功に関する思い込みを修正する
7.自分の強さも弱さも受け入れ、その違いを理解する
8.心を開いて、自分が恵まれていることに気づく
恐怖も自己批判も、自分のヒーローも悪役もすべては自分自身の言い訳で屁理屈、手抜き、正当化、降伏です。
この現実は自分が作り上げたフィクションなのです。
そうしたフィクションは手放してください。
なぜならあなた自身が現実の創造主です。だから責任があります。
特に 1の「あらゆる瞬間、あらゆる思考、どんなささいなことにも責任を持つ」はいわゆるウォッチ&プレイだ。
潜在意識はノーと言わず、私達の思考すべてを受け入れてしまう。エイブラハムは全ての出来事の肯定的側面を考えなさいと言う。これは今この瞬間の自分の思考や感情がずべて、少し先のリアリティを作る要素となることを示しているのだ。
これはとにかく巧妙にできていて、私もすぐそのイリュージョンやフィクションの世界に自分を見失ってしまうほどだ。バシャールが言っていたようにあらゆる手を使っては「噓の父」が騙そうとする。
「自分の考えていることをウォッチ&プレイしなさい」 これは「眠りながら成功する」ジョセフ・マーフィのある一文になる。
人はその人が考える通りの人になる。良いことを思えば良いことが、悪いことを思えば悪いことが起きる。
ウォッチ(見張る)&プレイ(実践)と語ったのはマーフィ博士だけれど、「思い込みを捨てる、意識して自分の考えに責任を持つ」など、このことを常に念頭に置いておかなければいけないと、思い出させてくれたイサク氏の話は到達すべき段階へ横道に逸れないように悟してくれた。
日々の忙しさにかまけてつい見失いがちな、この「状態」について、わかる人には深い気づきを与えてくれる内容だったことを、ここに書き留めておく。