王権をめぐって君主と家臣が権謀術数を繰り広げる、ある韓国時代劇でこんな名セリフがあった。
「王座というのは綱渡りの中心にいるようなもの。奸臣が綱を強く引けば一方に傾いてバランスが崩れる。忠臣が綱を強く引けば、同じようにバランス(王座)が崩れて下へ堕ちる。」
「すなわち奸臣と忠臣を半々に置いておくことこそ、王権を安定させる秘策なのだ。」
善と悪、陰と陽などの二律背反するものがあってこそこの世の「すべてであるもの」は成り立つ。
あらゆる存在領域に、自分の意図に調和するものと、調和しないものが在る。
そしてこうも言える。
あらゆる存在領域の「すべてであるもの」には肯定的側面と否定的側面とがあるのだと。
一度きりのこの人生においてさえ、色々な話題について考え、様々な人生経験を積んできたあなたは、極めて複雑な存在になっている。
物質的な体に宿って以来、あなたはいわば肯定的なロープと否定的なロープの両方を引っ張ってきた。
今日あなたが生きているのは、その「引き」のバランスが保たれているせいだ。
とはいえあなたは極端な思考に走る癖を培ってきたので、あるあ話題にちょっと触れただけで、簡単に悪循環に陥ってしまう。
幸せになるために自分の心の中にあるものをすべて分析する必要はない。「なぜそんなものがあるのか」などと自分を責めたり、他人を責めたりしなくていいのだ。
「引き寄せの法則の本質」:著ヒックス夫妻
引き寄せの法則の本質 自由と幸福を求めるエイブラハムの源流 (引き寄せの法則シリーズ)
ロープの「引き」のバランスをうまくとれている人だけが、人生に幸運を引き寄せることができるということになる。
私達が生きるこの世の中は前述したように、ありとあらゆる存在領域で二律背反するものに満ちている。
あるものは自分の意にそぐわないものもある。
それこそがこの「すべてであるもの」の存在意義なのだ。
「在ること」の本質とも言えるのかもしれない。
バシャールがいつ「噓の父」という悪魔のささやきが、幸福への道を閉ざそうとすることもある。
ではロープの「引き」のバランスをうまくとるには、どうすればいいのか。
これがエイブラハム本で、繰り返し説かれている最重要ポイントになる。
感情というナビゲーションシステムを理解して自分の人生を左右する、見えない力の作用点を変えること。
つまり「転換の法則」で、あらゆる物事から人生の局面に至るまですべてのことに対して、肯定的側面を見出すことに尽きるのだ。
自分の人生を好転させて、楽しくて仕方がない状態へとコントロールするために理解することは難しくない。
自分が自分の経験の創造者であることを受けいれる
「不足」と「欠如」に決して焦点を当てない
自分の思考のパワーと重要性について理解する
自分自身の「内なる存在」との絶対的なつながりを知る
自分の抱く「感情」が「内なる存在」からの指針であることを理解する
「いい気分」でいることより重要なことは他にないと心に留めておく
ロープの「引き」のバランスをうまくとるには、ちょっとしたコツがいる。といっても思考の癖をエイブラハムが教えてくれるように変えるだけだ。
少し迷いが出ると開くエイブラハムの一連の引き寄せ本だけれど、読む度に新しい発見があったり、幸福へのマスターキーを再確認することができる。とうより自分はすでに幸福の真っ只中にいるわけだし、そのことには感謝している。
実際、この世には感謝すべきことに満ちている。ロープの中心にいるだけで平安は得られるようになっている。それこそがバランスのとれた愛に満ち溢れた場所。
それなのに日々生きていく上で、「すべてであるもの」の一面である「否定的側面」にぶつからざるを得ないことが当たりまえのように発生する。そしてそれは誰にとっても避けられないもののようだ。
そんな時は、人生というロープはそのようなものであること、そして「引き」のバランスをうまくとり、「転換の法則」で次々に換えていくことで、更なる目的への早道を見つけようと思う。